本が返ってくると

娘のところに行っていた本がダンボールに2つ返ってきた。これが問題なのは、置き場所はもちろんのこと、好きで買った(何回も読むために買った)本だから、目の前に突きつけられるとつい読んでしまうことなのだ。伊坂幸太郎『ゴールデン・スランバー』、『フィッシュ・ストーリー』、『重力ピエロ』を読み、いちばん好きな『砂漠』に伸びる手を押しとどめつつせっせと仕事をした。

24日土曜は、学生さんたちを相手にアムネスティの世界大会の話と「人間らしく生きたい」キャンペーンの話をした。このキャンペーンの中心となるのは「貧困」である。貧困は政治によって作り出されるものだ。貧困は人権侵害なんだというのがアムネスティの主張である。アムネスティの年次報告書を読んで一目でわかるのは、平均寿命の短さと、五歳未満死亡率、識字率が相関していることだ。アフリカのほとんどの国で、子どもの四人にひとり、五人にひとりは五歳にならないうちに死んでしまうのだが、そうした国では一日一ドル以下で生活する人の割合が非常に高い。都市のスラムはふくれあがっている。貧困にあえぐ人たちは、単に物がないというだけではない、その状態を変えるための手段と力も奪われているのだ。人権を切り離すことはできない。
というような話なのだが、来月はまた学生さんに同じような話をして、しかも時間が長い。中身を組み立てておかないとね。