『SAT、警視庁に突入せよ!』

『わたしたちは繁殖している』7と8を読んだけど、自分の私生活をさらけ出して描く(書く)というのをうまくやってのけるというのはなかなかに難しいことだ。最初のころのは面白かったんだが、巻が進むにつれてジジさんはいろんな人に怒りまくる。自分がされたらわたしだって怒るだろうなと思うから、怒るのはいいんだけれど、反論の場を持たない一般人が一方的にやられている感じがして居心地が悪い。

昨日書きかけてそのままになっていた。
『電車屋赤城』 山田深夜、角川書店
 作家は自分の作品が誰かに似ているといわれると嫌なものだろうが、それでも言っちゃう。浅田次郎を思い出した。ツボを心得ている。浅田次郎の作品は、そのつぼを心得た臭さを芸にしているが(大好きな『プリズン・ホテル』など)この人のはそこまで突き抜けてないかな。ツボをちょっとつついてほろっとさせる。それだけで満足しないでほしい。期待できそうなんだからさ。
『SAT、警視庁に突入せよ!』 佐々木敏、徳間文庫
 『中途採用捜査官』もおもしろかったけど、これもよい。核爆弾を持ったテロリストに警視庁が占拠されちゃうんである。建物ごと、一般人も含め5000人が人質だ。楽しめます。